谷中の老舗カヤバ珈琲とは
上野桜木の交差点に佇む瓦屋根と赤煉瓦の土台が特徴的な木造家屋は1938年(昭和13年)創業の老舗喫茶店「カヤバ珈琲」です。
建物自体は推定大正5年建築とされており、ミルクホールやかき氷屋やあんみつ屋などを経てカヤバ珈琲へと受け継がれて今に至ります。
寄棟造の建物は2008年の改修時に建築家の永山祐子氏によって現在のような、1階がテーブル席で2階が座敷席という和洋折衷かつ大正から昭和にかけての喫茶店の趣を表現しています。
次項で紹介しますが、2006年に一度は閉店を余儀なくされますが、その後NPO法人たいとう歴史都市研究会や近隣の現代美術ギャラリーSCAI THE BATHHOUSEなど、地元をはじめ多くの支持者の協力により再開が実現します。
閉店を経てリニューアル
2006年(平成18年)、カヤバ珈琲はオーナー様の体調不良によって閉店を余儀なくされます。
しかし、NPO法人たいとう歴史都市研究会やSCAI THE BATHHOUSEなどの地元有志団体などの助力により、2009年9月18日、営業再開に至ります。
その後、2020年2月25日に再度閉店しますが、これは店舗改装のためで、建築家の永山祐子氏設計のもと、近隣の東京藝術大学大学院文化財保存学保存修復建造物研究室の監修により、2020年5月15日にリニューアルオープンを果たします。
1938年から、2度の閉店を経て現在へと受け継がれる空間は今後も多くの方の憩いの場として残り続ける事でしょう。
混雑と行列を避けた工夫
地元内外から多くの方が訪れるカヤバ珈琲ですが、当然人気ゆえ平日であっても多くの方で賑わっています。
もちろん、平日よりも土日祝日、早朝や閉店間際よりも喫茶時間の方が混雑する傾向にありますが、私自身、平日のモーニングタイムに訪れた際にほぼ満席の状態であり、後から来る方もすぐには入店できない状況でした。
カヤバ珈琲は車両の往来が多い言問通りと神田白山線のちょうど交差点に位置しており、店頭で行列を作って並ぶことが困難な立地です。そこで、お店側の配慮と利用者及び車両双方の安全性を考慮して満席時には電話にて呼び出しを行う方式を採用しています。
これにより、混雑時にも行列を作ることなく、利用者も電話が来たらお店へ向かえば良い為、双方にとって優れた対応と言えます。
また、前日までであればネットや電話にて席の予約も可能です。詳細は公式インスタグラムをご参照ください。
カヤバ珈琲のモーニングメニューとプリン
カヤバ珈琲では8:00~11:00の間、モーニングメニューを展開しております。
- たまごサンド¥1,000
- 野菜サンド¥1,000
- たまごトースト¥1,000
- ハムエッグトースト¥1,000
- あんバタートースト¥1,200
- クロワッサン¥700
モーニングメニューには、しぼりたてジュースか本日のスープのいずれかを選べ、上記写真のようにサラダが付いてきます。
カヤバ珈琲はデザートメニューも充実しています。
カスタードプリンは、ノルウェー発祥で代々木公園や浅草などにお店を構えるフグレンのエスプレッソを使用し、たっぷりの生クリーム、コーヒークランブルとキャラメリゼしたナッツがアクセントとなっています。
プリンの他、以下のデザートメニューが楽しめます。
- みつ豆¥600
- あんみつ¥800
- アフォガート¥700
- 抹茶のガトーショコラ¥700
- 本日のケーキ¥700
比較的早い時間帯から賑わう程の人気を博しているカヤバ珈琲のモーニングですが、やはり喫茶タイム、そして土日祝日はより多くの人が訪れます。
しかしながら、先述した通り、店頭に並ぶことなく、電話呼び出し対応でかつ日時によっては予約も可能なため、来店日時が決まっていれば事前予約がお勧めです。
上記メニューは2022年4月時点での内容です。
カヤバ珈琲の詳細
席数・・・1階:4名掛けテーブル4卓程/2階:4名掛け座敷席5卓程
価格・・・たまごサンド¥1,000/あんバタートースト¥1,200/クロワッサン¥700/コーヒー¥500/カフェラテ¥600/ルシアン¥600/カスタードプリン¥700
WiFi・・・無し
支払・・・現金/クレジット(VISA, MC, JCB, AMEX, UnionPay, DinersClub, DISCOVER)/ApplePay/iD/QUICQPay/交通系IC(Kitaca, Suica, PASMO, toICa, manaca, ICOCA, SUGOCA, nimoca, HAYAKAKEN)【レジにて後払い】
電源・・・無し
混雑・・・常に混んでいるイメージ。満席時は電話呼び出し対応。
カヤバ珈琲の周辺観光案内
上野桜木は谷根千の一角である谷中界隈にあって昔ながらの情緒溢れる街並みが魅力的なスポットです。昭和13年築の日本家屋を利用した飲食店や食料品店などが集まった複合施設「上野桜木あたり」が2015年3月にオープンして以来、密かな話題となっています。
築80年を超える日本家屋にビアホールやベーカリー、塩とオリーブの専門店など、ユニークなお店が入る独特な雰囲気が魅力的です。
また、近隣にはユニークな博物館も多く、ちょうどカヤバ珈琲の目の前にある歴史ある家屋は、「旧吉田屋酒店」という江戸時代から代々酒屋を営んでいた吉田屋の建物を保存しており、明治43年の建築を無料で見学できます。
根津方面へ足を運ぶと、陶芸家の故上口愚朗が収集した大名時計を展示する「大名時計博物館」があり、日暮里方面へ向かうと医者の富澤祐三収集の浮世絵コレクションが観れる「寺町美術館」や彫刻家の朝倉文夫のアトリエ兼住居を改装した「朝倉彫塑館」なども楽しめます。
さらに、上野方面へのアクセスも良く、「東京藝術大学大学美術館」や「東京国立博物館」までも徒歩10分圏内です。
カヤバ珈琲までのアクセス
駅近の立地ではないため、どの駅からも徒歩で10分前後はかかります。
まずJR山手線の日暮里駅の南口改札を出ると紅葉橋と呼ばれる陸橋を渡って谷中霊園方面へ抜けられます。霊園を上野方面へ抜けると上野桜木交差点にぶつかるので、その角にカヤバ珈琲の趣ある家屋を見つけられます。徒歩約9分のアクセスです。
同じく鶯谷駅からだと、駅北口を出て線路を渡って根津方面へ歩くと上野桜木交差点まで徒歩約11分でアクセスできます。駅出口が反対方面にあるため、若干迂回しないといけないので日暮里からよりも時間がかかる印象です。
次に、東京メトロ千代田線の根津駅からは1番出口を出ると、不忍通りと言問通りがぶつかる根津一丁目交差点が目に入るので、スーパーマーケットのAkafudadoの脇を言問通り沿いに鶯谷方面へ直進すると徒歩約9分でアクセスできます。導線がほぼ一直線のため、鉄道利用の場合、信号次第では最も早いアクセスが可能です。
最後に、実質最も早いアクセスが可能な交通手段がバスです。
亀戸駅前と上野公園を結ぶ都営バス[上26]の谷中バス停で下車すればすぐ目の前がカヤバ珈琲です。(※亀戸駅前行きの場合。逆の上野公園行きの場合は、交差点を挟んだ斜向かいに停車。)
<店名>
カヤバ珈琲
<営業時間>
月~金 8:00~18:00
土日 8:00~19:00
MORNING 8:00~11:00
<住所>
東京都台東区谷中6-1-29
<最寄駅>
日暮里
鶯谷
根津
<公式サイト>
Instagram) @kayabacoffee